おのぼり二人紀行<15>

僕らはイオンモールに入ってからベンチで休憩をした。 僕は座った途端、眠気に襲われてしまい壁に頭をつけたまま20分くらい仮眠した。その間、完全に熟睡してしまった。目が覚めて隣を見ると彼はスマホで何かの文章を集中して読んでいた。一方的に寝てしまっ…

おのぼり二人紀行<14>

西川口駅前の角を曲がって少し進むと、いきなり蕨市の案内看板が目についた。 「もう蕨市に着いたの?」 僕は西川口駅のすぐ隣から蕨市が始まっていることに驚いて後ろを走っている彼に向かって声をかけてしまった。 そもそも当初は蕨市に行く予定はなかった…

おのぼり二人紀行<13>

自転車で西川口まで50分はかかる。 出発地の戸塚安行周辺は農園が多いみたいで畑や園芸店がやけに目についた。ただ坂道を登って西川口方面に近づくにつれて徐々に住宅が多くなってきた。下り坂を降りる頃には住宅街になってしまった。5月末の土曜日で運動会…

おのぼり二人紀行<12>

洗濯するのがめんどくさい。でも洗濯をしないと落ち着かない…… 僕は洗濯物を溜めるのが大嫌いだ。ちゃんと毎日洗濯をしないと気が済まない性格をしている。ただ宿泊先に置いてある使い方が分からない洗濯機を使わなくてはいけないという憂鬱さがあって、洗濯…

おのぼり二人紀行<11>

最初の頃、彼も「ネパール料理店に行きたい」と言ったことがなかった。 僕自身は以前から滅多に外食をしないので、あまり店を知らない。彼とスマホで調べながら日本人がよく行くなるべくオシャレな感じの店を見つけて行っていた。彼はそんな僕に合わせて会話…

おのぼり二人紀行<10>

僕らは彼の思い出の地を散策した後に『高田馬場』にたどり着いた。 それから「宿に戻る前に晩ご飯を食べよう」と言い、高田馬場にある『チャオハノイ』というベトナム料理の店に入った。店員は全員ベトナム人だったけど、お客には若い日本人を何人か見かけた…

おのぼり二人紀行<9>

自転車を駐輪場に停めてから公園内に入ると1年前と同じような光景があった。 ベンチに並んで座って話しながらこっちの方をチラチラ見ている人たちや、ベンチに一人腰掛けてスマホを片手にチラチラと見ている人たちがいた。彼はそんな視線に気が付くこともな…

おのぼり二人紀行<8>

僕らは喫茶店の近くの駐輪場で自転車を借りて明治通りを北に向かった。 その途中で国立競技場の案内看板が目に入ったので「ついでの建築中の競技場を見てみよう」ということになり千駄ヶ谷小学校の交差点で右折した。まっすぐに道を走るとテレビ画面で見慣れ…

おのぼり二人紀行<7>

『アメ横地下食品街』 ネットで検索してもらえばどんな場所か分かると思うけど地下街で売っている物は、ほぼ海外の商品だ。 アジア圏のいろいろな国の商品であふれている。日本人の一般家庭では滅多に使用されないだろう食材や調味料であふれている。もちろ…

おのぼり二人紀行<6>

僕らは次の目的地を御徒町に定めて、都営大江戸線の蔵前駅から地下鉄の入り口にたどり着いた。 僕が「それじゃあ地下鉄に乗りましょう」と促すと彼は複雑そうな表情をして立ち止まった。僕が「どうしたのだろう?」と思っていると、彼は「都営大江戸線は苦手…

おのぼり二人紀行<5>

僕が読んでいる本は『沢木興道聞き書き』(著者:酒井得元)だ。 本を読むのに集中して「飛行機事故」ついて考えないようにしている矢先。 大体、人間はいつ死ぬるかもわからないものではあるが、いざ死ぬというときには、あっさりといってしまうもので、いわ…

おのぼり二人紀行<4>

彼と無事に福岡空港で落ち合うことができてから、地下鉄の改札をくぐってエスカレーターに乗って航空会社の窓口に向かった。 僕が「歯磨きとタオルはちゃんと持ってきたよ」と話している途中で、彼が「そういえばオナホールを持ってきてない!」と言い出した…

おのぼり二人紀行<3>

僕は飛行機が苦手だ。 ただ昔から飛行機が苦手だったのかというと、そうでもない。 以前、羽田発で福岡空港着の飛行機に乗った時、離陸前には爆睡してしまって、途中で覚醒した時には関西上空くらいにいて、その後、再び爆睡して、次に目が覚めた時、着陸し…

おのぼり二人紀行<2>

関東に旅行に行くと決めてから、彼から「ここに行きたい」とか「この店に行きたい」といった情報が次々と送られてきた。実際にどこに行ったのかは徐々に書いていくけど、彼は「行きたい場所が沢山ありすぎて悩む!」と言って苦しんでいた。僕は「あまり無理…

おのぼり二人紀行<1>

「5月末に旅行に行こう」 今となっては、僕と彼のどちらが先に言い出したのか覚えてない。 就寝前に日課になっている電話の最中、そんな話が突如出てきた。5月末に5日間ほど連休が取れると彼に伝えたところ、どちらからともなく、そんな話になった。 それか…

気の向くままに書いてみる

なんとなく心に浮かんできたことを脈絡もなく書いてみる。 ブログを書く時だけど、書いているうちに筆というかキーボードのタイプが乗ってきて、当初予定していたのと随分違う内容になってしまうことが多々ある。2年間書き続けてきたけど、「これはいい出来…

ライナーノーツ<25>〜東京レインボープライド〜

「書きたいことは山ほどあるけど、書いてしまうと何かが零れ落ちてしまいそうで、記憶が薄れてしまいそうで書くことが出来ない日がある」 東京に着いた初日の夜。 僕はゲイブログを書いている「ある人」と会うことになって、彼の住む街まで電車に乗って向か…

ライナーノーツ<24>〜このサイトを始めるにあたって〜

もう2年以上前に書いた文章だけど、そこまで大きく考えは変わっていない。 ただ、毎日の更新を止めてから新しく『このサイトを始めるにあたって』のような文章を書く必要が出てきたと感じている。このサイトを再始動するにあたって指針になるような文章だ。 …

毎日のサイト更新を止めた前後<3>

ふちさんと悠さん。もう一人は「はるたろーさん」だ。 harutaro-minutes.hatenablog.com 意外かもしれないけど、僕ははるたろーさんの元気な感じの文章が好きだ。特にはるたろーさんの最初の頃に書いていた文章は「これから先に何が起こるんだろう?」と期待…

お互いの共通点を見つけること作ること

このサイトの更新を再開しようと思っている。 本当は4月下旬にある方とメールのやり取りをしたのがきっかけになって、3月に書きかけていた文章の続きを書いた。でも書き終えた文章を保存する前に誤って消してしまったので心が折れてしまっていた。同じような…

毎日のサイト更新を止めた前後<2>

前日に書いた『一つの区切りを迎えました』がネット上で公開された時間帯。ボクは仕事が終わってから彼と一緒に映画館までレイトショーを観に行っていた。「いつもは真面目な映画ばかり観ているけど、たまにはくだけた内容の映画を観てみようか?」という理…

毎日のサイト更新を止めた前後<1>

そろそろ……毎日のサイト更新は無理だな。 毎日のサイト更新を止める前日の夜、ボクにしては珍しく寝付けなくて、深夜遅くまで真っ暗な部屋で布団に入ったまま考え事をしていた。 子供の頃から布団に入ると自分に直接関係していることはあまり考えないように…

一つの区切りを迎えました

突然ですが報告があります。 今まで2年間、このサイトの更新を毎日してきましたが、これから先の更新頻度は不定期にします。 このサイトを閉鎖するつもりはありません。 ただ更新頻度に関しては不定期になります。 毎日の更新を止める理由は、いきなり彼が「…

ライナーノーツ<23>〜二度と戻りたくない場所〜

「最初は彼と付き合っていることを含めて書くつもりはなかった」 今でこそ付き合っている彼との関係を文章で書いているけど、当初は書くつもりは全くなかった。書くようになったきっかけはいくつかあるけど、映画『愛と法』を観たのが一つにある。『愛と法』…

椿の花の咲く頃

先日、ショウタさんと福岡の『薬院』を一緒に散策した。 以前から『天神』周辺は開拓していたけど『薬院』周辺は未開拓のままだった。福岡の街は快晴で春の陽気でポカポカとして気持ち良かった。この機会に自転車に乗って表通りから裏通りを含めて散策した。…

ライナーノーツ<22>〜はじめてのカミングアウト〜

「こんな文章を書いてしまったけど影響を受けてカイングアウトする人がいたらどうしよう」 そんな心配をしながら、まだこのサイトを始めた最初の頃に『はじめてのカミングアウト』を書いた。 ボク自身は「子供の頃にカミングアウトするは止めたほうがいい」…

ライナーノーツ<21>〜ゲイブログを書く前後〜

「何かに出会った時。自分の感じ方次第で、どうにでも変わっていくように思う」 『ゲイブログを書く前後』では、前半はゲイブログを書き始めるきっかけについて中心に書いている。後半はゲイブログを継続して書いているうちに、どう変わっていったのかを中心…

ライナーノーツ<20>〜職場でゲイとして生きる〜

「今の世相ではありえないような発言を散々に浴びせられてきた」 ボクは転職前の職場で同僚から「ホモ」と散々に言われてきた。 あの時、ボクのことを「ホモ」と言っていた人たちは「今の世相をどんな気持ちで受け止めているのだろう?」と思う時がある。あ…

ライナーノーツ<19>〜恐るべき子供たち〜

「兄弟の間にある感情をなんと言えばいいのだろう」 この話に出てくる兄弟だけど、ボクは彼らをゲイだとは思ってはいない。 全ての兄弟がそうだとは言えないけど、兄は弟に対して、弟は兄に対して、愛情に近いどこか不思議な感情を抱くことがあってもおかし…

プロの独身部屋からの脱出

「ソフトウェア」の更新だけでなく「ハードウェア」の更新が必要だ。 最近、そんなことを考えるようになった。 ここで書いている「ソフトウェア」は考え方や生活習慣など「目に見えない物」を意味している。「ハードウェア」は住まいや家具や道具など「目に…