本屋でデートするのが好きだ。

彼と一緒に街中を歩いていて本屋を見かけると、ふと立ち寄ってしまう。 よく見かける売れ筋の新刊本が沢山置いているような本屋には興味がない。喫茶店が併設されたようなおしゃれな若者向けの本屋にも興味がない。どちらかというと裏路地や商店街の片隅で、…

ライナーノーツ<17>〜10年ぶりのカミングアウト〜

「ボクにとってあの場所は分岐点だった」 先日、熊本に行った。最後に行ったのは2018年4月1日なので約11カ月ぶりに熊本に行ったことになる。彼と一緒に熊本県内をあちこち回った後、途中から熊本市内に立ち寄った。そんな中、彼から「この店で昼ご飯を食べよ…

ライナーノーツ<16>〜このサイトを始めるにあたって〜

「これから文章を書くにあたって、このサイトの『根っこ』になるような方針を書いておきたい」 そんなことを思いながら『サイトを始めるにあたって』を書いた。 ボクは未来に起こる出来事は、過去の出来事の上に成り立っていると思っています。だから現在を…

ライナーノーツ<15>〜同性愛者の性長記録〜

「この文章を書くきっかけをくれたゲイブロガーがいた」 このサイト上に文章を書き始めて最初の転換期となった章がある。 それが『同性愛者の性長記録』だ。 この章はまだ書き残したことが沢山あるので、いつか追加で文章を書くことになると思う。 この章の…

バグの修正対応が続く日々

「今度の三連休に『対馬』に行かない?」 ショウタさんと電話で話していると、そんなことを突然に言い出した。 ボクは「またか」と思った。 彼の言っている三連休まで既に1週間を切っていた。今から宿や船を予約して、どこを観光するのかを決めたりするにし…

ライナーノーツ<14>〜住吉奇譚集〜

「ハッテン場を漂っている声にならない思いを文字にしてみたい」 そんなことを考えながら『住吉奇譚集』を書いた。有料ハッテン場で感じた自分の思いを、できるだけそのままの鮮度で文字に落としたかった。それで忘れないうちに急いでメモを取って文章を書い…

ライナーノーツ<13>~同性愛者が存在する確率~

「故郷に帰らなくても、故郷とつながっていると感じる時がある」 『同性愛者が存在する確率』は、大学時代に帰省してゲイ向けの出会い系掲示板に書き込んでみたら、小学校時代の同級生とメールのやり取りをして再会したという話だ。 その同級生は近いうちに…

ライナーノーツ<12>~同性愛者として生きる決意~

「初めて好きになった同性が彼でよかった」 中学時代に同性のN君を好きになってから、恋愛をしなかった大学時代を除いて、高校時代、社会人時代と好きになった同級生や同期に告白しても拒絶されることがなかった。皆友達として以前と変わらずに接してくれた…

ライナーノーツ<11>~同性への憧れと恋愛の境界線~

「二十年近く経つのに忘れられない人がいる」 ボクは高校時代に好きになってしまった二歳年上の彼のことを未だに引きずって生きている。今でもどこか彼に似ている要素がある人を好きになる。何かをする時や、何かを考えたりする時に、「彼ならどうするだろう…

自分が死ぬことへの心境の変化<下>

ボクは何かに直面して、自分が正しく判断できると思うことに対しては自信を持って選択するし、正しいか自信を持って判断が付かない場合は、あれこれ斜めに構えて考えるより、さっさとどちらを選んで馬鹿正直に飛び込んでしまった方がいいと思っている。 ボク…

自分が死ぬことへの心境の変化<上>

最近、「自分が死ぬ」ことについて考えるようになった。 冒頭からシリアスな言葉が飛び出してきたけど、別に深刻に考えているわけではないので安心して欲しい。仕事や散歩している最中、何かの拍子に「自分が死ぬ」ことについて、あれこれ考えているだけだ。…

ライナーノーツ<10>~はじめての有料ハッテン場~

「この章のアクセス数が一番多いなんて嫌だな」 この『はじめての有料ハッテン場』の章だけど、どうやら今まで書いてきた文章の中で一番アクセス数が多いようだ。 このサイトの右端に「人気記事」と書かれたアクセス数の多い文章が表示される欄がある。その…

ライナーノーツ<9>~インターネットの同性愛世界~

「ハッテン場について、どこまで踏み込んで書こうかな?」 このサイトではハッテン場について赤裸々に書いているけど、文章を書き始めた段階では、どこまで書くべきなのか迷っていた。文章を書いてインターネット上に公開してしまえば誰でも読むことができる…

ライナーノーツ<8>~同性愛者の友達が欲しい~

「ゲイ向けの出会い系の掲示板を経由して、初めて出会ったゲイ仲間は女装子だった」 大学時代、周囲のノンケの人たちにも「出会い系の掲示板」に書き込みをしている人がいた。もちろんボクの書き込んでいた掲示板とは求める性の対象が違っていた。 ある飲み…

ライナーノーツ<7>~ゲイとしての居場所作り~

「この文章が2018年のボクの行動を引っ張り続けてくれた」 ボクにとって『ゲイとしての居場所作り』は、そんな感じの大切な文章になっている。 2O18年3月から、ぽつぽつと『ゲイとしての居場所作り』の文章を書き続けて、もうすぐちょうど1年間が経つことに…

ライナーノーツ<6>~はじめて会った同性愛仲間~

「初めて会ったゲイ仲間が誰だか覚えてる?」 ボクが初めてゲイ仲間と出会ったのは高校時代だった。 これは他の人よりは少し早いのかもしれない。ボクの場合はちょっと状況が違って、中学時代から同級生に対してカミングアウトしていて周囲に全開状態だった…

ライナーノーツ<5>~大人の同性愛世界の入り口~

「もっと別の道があったんじゃないかと今でも思う時がある」 京都市内は大学の数が多い。ついでに銭湯の数も多い。 そういった状況なので大学近くの銭湯には大学生が多く訪れていた。そんな大学生を目当てにゲイたちも多く訪れていた。京都市内にある銭湯の…

ライナーノーツ<4>~過去との決別~

「いつの時代から書き始めたらいいのだろうか?」 ゲイブログを書き始めるにあたって、そんなことを迷っていた。 ボクの場合は、カミングアウトした中学時代から書くべきなのか? カミングアウトして一番ひどい目にあった高校時代から書くべきなのか? 本格…

ライナーノーツ<3>~遠い場所の君へ~

「こういう文章を書いてみたい」 そんな衝動が起こるのは、他の人が作った文章や音楽や映像などに触れた瞬間が、きっかけになることが多い。 全てをネタバレしないけど、NHKでジブリのドキュメンタリー番組を見ていて『ゲイブログを書く前後』を書きたくなっ…

ライナーノーツ<2>~出逢いたくなかった人~

「人は成長するにつれて自分と似たような人間が周囲に増えてくるのかもしれない」 小学校の頃は、いろんな諸事情を抱えた人が周囲にいた。その背景は様々だけど、まだ子供ということもあって本人よりは育てられた家庭の問題が背景に多かったように思う。とに…

ライナーノーツ<1>

「過去に書いた文章の『あとがき』を書いてみたい」 このサイトに文章を書き始めてから、それなりに文量が溜まった1年半が過ぎたくらいからだろうか、そんなことをぽつぽつと思い始めていた。それでサイトを始めてちょうど2年目を迎えるのを機会に、過去に…

絶対に会えてよかった<100>

同年代の男性からの抗議を受けて「そんなにいびきが五月蠅ければ、もっと離れた個室で寝ればいいのに」と思ったのだけれど、よくよく彼の説明を聞くと困っている理由も納得できた。 その日は客が多かった。 ボクの実感では、冬の寒い日になると有料ハッテン…

絶対に会えてよかった<99>

彼は「地元の祭りがあって酒を飲んだ勢いで、そのまま店に来た」と酒臭い息を吐きながら説明してくれた。彼の体はフラフラとおぼつかなく揺れていて、呂律も規則正しく回っていなかった。いつになく強気にボクの体に触れようとするも、そのままもたれかかっ…

絶対に会えてよかった<98>

ボクが人間関係を築く際に、個人的に重視していることが2つある。 それは「琴線に触れるような言葉を言ってくれるか」どうかだ。 これは話し言葉でも、書き言葉でもどちらでもいい。言葉でなくても生き方や身振りやなどの姿勢や態度でもいい。どんなに見た…

絶対に会えてよかった<97>

あの階段ですれ違った日から、ボクは数週間後に同じ店に行った。それから店内で彼の姿を探していた。 年上の猫背。 彼と初めて会って以降、ボクはそれらを手がかりにして彼の姿を探すようになっていた。 彼は全く物音を立てずにいきなり姿を現す。でも暗い闇…

絶対に会えてよかった<96>

ボクはカーテンをめくって別の部屋に行こうとしていた。 各部屋はカーテンと短い通路で仕切られていた。別の部屋に移る間にはカーテンを開けて、薄暗く短い通路を歩き、また次の部屋の入口になっているカーテンを開けて移動する必要があった。 ボクがカーテ…

ゲイショップの思い出<11>

2018年12月31日。ボクは実家に帰省するために、西鉄薬院駅で降りてJR博多駅に向かって歩いていた。博多駅に向かう途中に『柳橋連合市場』の前を通り過ぎると、年末の買い出しで人がごった返していた。いつもなら見かけない交通整理のガードマンが配置されて…

ゲイショップの思い出<10>

今となっては言い訳のようにしか聞こえないけど、ボクはおかずにしているゲイ動画を彼に本気で教えようとしていた。隠しているつもりは全くなくて、ただボクが持っているゲイ動画が一本も置いてなかったのだ。 帰り道、店を出て住吉通りを歩きながら、彼は「…

ゲイショップの思い出<9>

ボクらは移動して2人並んでDVDを眺めていた。大体7列ぐらい設置された棚にはゲイ動画のDVDがぎっしりと陳列してあった。 彼は「これ知ってる」と言って何本かのDVDを指差していった。彼の指さしたDVDを手に取ってパッケージを眺めてみたけど、どうやらボクと…

往復書簡

このサイトに文章を書き続けて、毎週のようにポツポツと読者からメールをもらうようになった。 メールの相手は、ボクと同じようにブログ上に文章を書いている人もいれば、長く読者として読み続けている人もいる。日本に住んでいる人もいれば、海外に住んでい…