彼と付き合い始めてから、もうすぐ3年目を迎える。
僕らは2019年の7月末に初めて会っているので、出会ってから既に3年目は迎えているが、ちゃんとした形で付き合い始めたのは、その年の9月16日からだった。恐らく、この文章を書いている途中で3年目を迎えるだろうけど、この辺で、僕と彼の近状について書くことにした。
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2020年の春先から僕らは一緒に住んでいる。
最初の頃は僕が以前から住んでいた賃貸アパートに彼が転がり込む形で一緒に住んでいた。彼の方は実家暮らしだったので、彼の両親には、いろいろと理由をつけて同棲していた。僕の両親には内緒にして、こっそり同棲していた。
彼の実家からより、僕のアパートから職場に通ったほうが断然に近かった。「通勤するのに近くて楽!」という理由で、彼の両親には説明をした。一方、僕の両親に内緒にしていた理由は、そもそも僕の実家から遠く離れていて、両親が福岡に来ることは滅多に無いからだ。わざわざ実家の両親に知らせる必要性は感じなかった。それに僕も独り立ちしているので親に迷惑をかける訳でもないので、同棲していることを説明する必要性を感じなかった。ただ、電話で話したり、実家に帰省した際に、彼の名前を頻繁に出して「最近一緒に遊んでいる仲の良い友人ができた」と、今後の展開に備えて説明していた。
本当は賃貸アパートだと、勝手に同棲するのは問題になるのかもしれない。ただ、僕の住んでいたアパートの管理人は、ちょっとある事情があって僕らと個人的に知り合いになっていた。それで僕らが「あくまで友人同士」という形で同棲していることも知っていた。どこかに一緒に遊びに行って駐車場に車をとめてから部屋に戻る際にも、たまに管理人と顔を合して話す機会もあったけれど、その後、僕らは一緒に同じ部屋に入っていっても特に何も言われなかった。
僕とその管理人と二人で一緒に話す機会があったので「こういったアパートで勝手に誰かと一緒に住むのって本当はまずいですよね?」と質問したことがある。どういった返答が返ってくるのかドキドキしたのだが「え?別にいいんじゃないですか?」と言って、むしろ「何が問題なんですか?」という態度で不思議がっていた。そんなわけで管理人からも「男性同士で同棲して何も問題ないと思いますよ」というお墨付きをもらってしまった。その管理人が30代の男性と若いのも、こういった状況をすんなりと受け入れることができる理由かもしれないが、よくLGBTカップルが同棲することができる賃貸物件を探しているといったケースもあるみたいだけれど、アパートの管理人と個人的に付き合いがあって親しくなっていると、こういった裏ルートもあることを知った。
そんなことがあって、僕のアパートに一緒に住む形で始めった同棲だけど、そのうちエスカレートして一戸建てを購入して一緒に住むようになった。
<つづく>