出会ってから3年を迎えて<3>

僕たちは休日は、二人でべったり行動している。

 

彼の母親からは「たまには一人で休日を過して休ませてあげないと」なんて言われたこともあるけど、僕は特に疲れてもいないし気にしていない。過去にも何度か書いているけど、僕は狭く深く人と関係を結ぶのが大好きだ。子どもの頃から、「この人がいれば他の人は要らない」という二人きりの関係を結んでしまうのが得意だった。ただ、こういう関係を結ぶには、相手の方にもそれ相応の覚悟がいるのだろう。

 

彼と付き合い始めて3年が経つけど、一人で休日を過ごした日は数えるほどでしかない。特に付き合い初めて1年半が経過してから一緒にいる時間が長く濃密になっている。

 

その理由は、僕らは古民家を買ったからだ。

 

その古民家は広い土地もついているので、その土地を開墾したり整備したり、家屋を解体したりとDIYしたりと、畑を耕したり植えたり収穫したり、何かしたら一緒に作業をしている。

 

何かを一緒に作業するのは楽しい。

 

僕にしても彼にしても、休日になる度に、どこかに遊びにいって、食事をしたり、映画を見たり、そんなことをずっとしていても飽きてしまう性格をしている。実際に家を買う前から、出かける先も少なくなっていた。それで貸農園を借りたりもした。ただ、そこから土地の面積が足りないとエスカレートして、自分たちの家と土地を買ってしまった。

 

この辺、都市部に住んでいるゲイカップルは厳しいだろうなと思う。店やイベントのような出かける先は数多くあるけれど、そんなことをやり続けても先がないからだ。これが男女のカップルであれば、結婚して子どもを生んで家庭を築くという、一緒に共有するイベントが発生するだろうけど、それはゲイカップルの場合は難しい。

 

それに都市部では、一緒に何かをしようにも、その土台になるようなものを一から作るのは難しい。サラリーマンのような仕事をして収入を得るということに関して言えば都市部は向いているだろう。ただ、何らかの収入になるような仕事は出来たとしても、それとは別の何か新しいことを始めるのには向いていない。

 

一緒に作業して、一緒に共有できるような何かを持てたことは幸運だったと思う。それにお互いに付き合っていく中で、こういった価値観を理解し合えるような人と出会えたのは幸運だったと思う。

 

<つづく>