この3年間、いろいろな場所に行った。
最初の頃は、福岡市内を中心に行っていた。生の松原から姪浜にかけて散歩したり、箱崎の九大キャンパス跡地でイベントに参加したり、福岡市周辺の津屋崎にも行ったし、糸島にも何度か行った。福間市の『A.PUTEC FLEGO』という店で昼食をしたことは強く記憶に残っている。
それから筑後地方の田主丸の耳納連山に行ったり、筑後草野。筑後吉井。うきは市をレンタサイクルでまわったり、つばき祭りにも行った。田主丸の園芸店をまわったり、『サンセットヒルガーデン』という園芸店に行ったりもした。小石原や八女や星野村に行ったりもした。熊本旅行に行って、阿蘇山をまわって、江津湖や熊本植木市や熊本県農業公園カントリーパークに行ったりもした。そのカントリーパーク隣の国立療養所 菊池恵楓園にも行った。山鹿に温泉旅行に行ったりもした。
細かく書けばキリがないけど、いろいろな場所に行った。彼と出かける時の外食先は、よほどの事情がない限り日本料理はなく、どこか海外のエスニック料理ばかりだった。しかも日本人ではなく現地の人が作っている店が中心だった。
2019年の5月に東京旅行に行った。その旅行に関しては『 二人おのぼり紀行』に詳しく書いている。
それから2年後。2021年7月にも東京旅行に行った。宿泊先は池袋。まずは神田の『DOCE ESPIGA 』という店でポルトガルの菓子を食べ、神保町の『東方書店』や『神田古書センター』などのいくつかの店で料理本や園芸本を探して散策。『農業書センター』にも行った。それから『粤港美食』で晩御飯を食べた。翌日は朝から駒場公園に行った。公園内にある『旧前田邸』に行った。それから近くの『日本民藝館』に移動して、ちょうど西館の『旧柳邸宅』の公開日だった。その後、徒歩で『東京ジャーミイ』に移動。そこの2階で昼食、お菓子を食べた。それから高輪の味の素の『食の文化センター』に行った。夕方に浜松町まで移動して『Byblos/ビブロス』でレバノン料理をテイクアウトして食べる。そして、できたばかりの施設。新大久保の『キムチドリアンカルダモン』に行った。翌日は、新宿駅から高速バスに乗って山梨県に行った。一宮という所でレンタカーを借りて、道の駅や直売所や園芸店に行った。硬い麺の『吉田のうどん』で昼食。『なでしこ農園』でバルサミコ酢の話を聞いた。夜に東京に戻って新大久保を散策しながら食材を購入。翌日の朝は御徒町の『老酒舗』でお粥の朝食。神保町の本屋を散策してから、神保町の『ろしあ亭』で昼食。それから成田に移動。そして福岡に戻った。
思い返してみると植物や料理や農業に関連したところばかりまわっている。
これは彼がよく知っていることだけれど、はっきり言って、僕はどこか行きたいところがない。何か欲しいと思うものもない。唯一、行きたいと思う場所があるとすれば、それは水俣で、いつでも行こうと思えば行けるけど、まだ機が熟していないように感じている。
僕の欲しいものは物理的なものではなく、頭の中で考えてば得られるものだし、どこかに行くくらいなら、頭の中で過去の思い出を振り返っていれば得ることができる。自分の頭一つあれば事足りてしまう。僕は欲しい物も、行きたい場所もない。何かを手に入れたところで根本的には何も変わらないし、どこかに行っても根本的には何も変わらないと思っている。
外部から何か買わなくてはいけないような状況にしないと、滅多にものを買わないし、どこか無理やりにでも連れ出してくれないとどこにも行かない。こんな人間なので、彼の存在に感謝している。
<つづく>